午前四時起きのライターズハイ

ライトノベル作家 神崎紫電のブログです(`・ω・´)ゞ

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 では、神崎式ライトノベル小説作法第二回目を始めます。
 今回は、第二回目という事で、基本作法について、軽く触れたいと思います。




■文章作法の基本の基本をいくつか説明。

○文章の行の頭、段落の頭に空白一文字をいれる。

○カンマ     ……  
 沈黙などを表現する際に使うもの「・・・」ではなく「……」とニマス分ずつ偶数個単位で使う。「――」も同じ。  

○カッコ    「」
 カッコで始まる段落の行頭は空白一文字をいれない。

○ハテナマーク、ビックリマーク     ? !
 ビックリマークとハテナマークは後ろに空白一文字が必要。直後にカッコがつく場合のみ不要。以下例文(□の部分に空白をいれる)
 例――「そんな馬鹿な!□A君が犯人だったなんて!□本当なのA君?」

○「視点移動」「章変更」「シーン変更」
 これらの時、何行開けるか、あるいは改ページするのかは自由。特殊な記号を間に挟んで模様みたいにする人もいれば、一行改行しただけで次の章に移る人もいる。規定応募枚数より話が長くなりそうなら、ここで改行を少なめにしてページ数を節約し、応募枚数ギリギリ足りるか足りないかの人はこの改行をたくさんいれて文字数を稼ぐと良い。


ザキやん:(^0^)「とまあ、矢継ぎ早に書いてみたけど、迷ったら本棚に刺さってる小説を一冊抜き出して確認してみてると良いと思う」
 「ギャグ描写などでフォントの大きさを巨大or小さなものに変える」は、NGではないけど、まずは全部統一して、もし編集者の目に止まったら編集さんに相談する形で「ここのシーンのフォントの大きさを変えると面白くなると思うんですけど」と提案してみた方がよいかな?


新人くん:Σ( ̄△ ̄;)「なんか色々決まり事があってめんどくさ~い」

ザキやん:(^0^)「個人的には、こういうのは数学の公式と同じだと思ってる。とりあえず暗記しないと問題が解けない。どうしてこういう公式が生まれたのかを考えるよりも丸暗記してしまおうよ新人くん。決められたルールを守りつつ戦う。スポーツも一緒だよね


■ペンネームを決める。

 ペンネームについて重要なものを簡単に。まだ心に決めたペンネームがない人向け。
 心に決めたペンネームがある人、あるいはもうプロとして一度でも名前が載ったことがあるペンネームを持っている人は飛ばしてください。
 ペンネームは下手をすると一生使うことになるので、とても重要なもの。以下はペンネーム三箇条。上から順に重要。
 ①印象に残る名前である(目立つ名前である)。
 ②検索性が高い名前である。
 ③その名前で自分が呼ばれても不快ではない。


新人くん:( ̄□ ̄;)「ペンネームなんてどうでもいいじゃん! 別にそれで入選落選がきまるわけじゃないよね?」

ザキやん:(^0^)「基本的にはフリー。だけど、もしなんらかの形でデビューが決まったら自分が決めたペンネームが随分長い間使われ続けることになる。もしくは作家でいる間一生。
 目を閉じて自分がそのペンネームの名字か名前で呼ばれるところを想像して見て欲しい。もしその名前で呼ばれることに不快な印象を持たなければ基本的にOK」

ザキやん:(^0^)「ま、これは基本。もう一つは読者が検索しやすい名前にしようということ」

新人くん:( ̄ー ̄?)「ん? どゆこと?」

ザキやん:(^0^)「固有名詞系は弱いんだ。たとえば新人くんのペンネームが『照明』『本棚』『お薬』とかそういう名前でデビューしたとする。そして読者の中に新人くんの本を読んで感動して『なんて素晴らしい本を書く人なんだ』と思った人がいたとする。その人がGoogle検索窓に『照明』あるいは『本棚』あるいは『お薬』と打ち込む。けれど一番上に表示されるのは……」

新人くん:( ̄□ ̄;)「自分の名前じゃない!」

ザキやん:(^0^)「その通り! SEO対策じゃないけど、やっぱり読んでくれた人が折角自分の時間を使って検索窓に新人くんのペンネームを打ち込んでくれた時、探すまでに時間がかかるような名前だと負担を強いてしまうよね。それは新人くんも忍びないはず」

新人くん:(・0・。) 「た、たしかに……」

ザキやん:(^0^)「これは絶対ではないので、心に決めた名前がある人はそのままでも全然問題ないよ。まだ未定の人、あるいは迷ってる人向けだね」

ザキやん:(^0^)「ちなみに僕が百点満点だと思うのは『日日日(あきら)先生』と『西尾維新(にしおいしん)先生』かな。日日日先生は見た瞬間ぎょっとして忘れられないペンネームだよね。よく考えれば『晶(あきら)』を分解した名前かな、うっすら予測がつくし、ヒヒヒ先生と、読者に遊んでもらえる要素がある素晴らしい名前だと思う。西尾先生はアルファベットに分解すると回文になるという言葉遊びが入っていて西尾先生の作家性が良く現れていると思う」

ザキやん:( ̄ω ̄;)「みんな上手いこと考えるな~」

ザキやん:(^0^)「ちなみに、新人くんはなにか、心に決めたペンネームってあるの?」

新人くん:(⌒~⌒ι)「いや、実はまだ特に……そういうザキやんは『神崎紫電』以外に候補があったの?」

ザキやん:(^0^)「野獣狂太郎」

新人くん:∑(´□`;) 「ええッッッ?」


■エゴサーチに気を付けよう

新人くん:\(◎o◎)/「エゴサーチってなんぞやザキやん!」

ザキやん:(^0^)「一言で言うと、『自分の投稿したときの本名及びペンネームは編集さんにGoogle検索、ツイッター検索、mixi検索、フェイスブック検索、Google+検索をかけられる可能性がある』ということなんだ」

新人くん:\(◎o◎)/「な、なんだって~~~~!」

ザキやん:(^0^)「新人くん、君は新人賞受賞以外のデビューの方法って知ってる?」

新人くん:(´・ω・`;)「えっと…………持ち込みとか?」

ザキやん:( ̄ω ̄;)「いや……残念なことに多くの出版社はプロ以外の持ち込みはあんまり活発じゃないんだ……」

ザキやん:(^0^)「答えは『拾い上げ』と言って、惜しくも落選しちゃったけど編集者個人が『こいつを担当してみたい』と思って『賞はあげられないけどデビューしてみない?』と誘いのお電話をしてくることがあるんだ」

新人くん:( ̄□ ̄;)「そんな方法があったのか! オイラ目からウロコだよ!」

ザキやん:(^0^)「そ・こ・で! 気を付けなければいけないのがエゴサーチ。さて新人くん、一つイメージトレーニングをしてみよう。君は、自分を『多忙だけど新しい可能性を発掘することに強い意欲があるライトノベル編集者』だと思って欲しいんだ」

新人くん:( ̄^ ̄) 「………………よしイメージした。超多忙だぜぃ~。リア充だぜぃ~」

ザキやん:(⌒~⌒ι)「(だ、大丈夫かなぁ……)じゃあ行くよ。君の机の前に二つの応募原稿がある。どちらも同じくらい可能性に満ちていて面白いけど、時間がないから一つしか担当できない。エゴサーチをかけてみると、A氏の方はブログ、B氏の方はmixiとツイッターをやっていた。A氏は『人間なんてみんなクズ! 死ね!』とか書いてて、B氏は『人間は常に高い志を持ち続け、精進すればきっと道は開けると信じる』と書いていた。君はどっちの担当をしたい?」

新人くん:\(*^▽^*)ノ「B氏!!!!」

ザキやん:(^0^)「だよね。口にはあまり出さないけど、実は編集者は作家にコミュニケーション能力の高さを求めている場合が多い。新人くん、もう一つついでに想像してみて欲しい。君は『打ち合わせ中ずっと黙りこくって、原稿にだめ出しをすると怒りだした上投げ出して、恨み節の籠もったメールを送ってくるA氏』と『打ち合わせ中の応対がキチンとしていて、一緒に作品を作っている感が味わえるB氏』君が編集者ならどっちを担当したい?」

新人くん:\(*^▽^*)ノ「B氏!!!!」

ザキやん:(^0^)「だよね。だからエゴサーチをかけられたとき自分のブログなどがA氏っぽい内容ではなくB氏っぽい印象を与えるものであれば編集者的には嬉しいよね。まあ知らない間に自分がエゴサーチをかけられているかもしれないっていうのはちょっとビックリするものだけど……。作家になってもう何年も経つ僕だって『うっ!』てなるもん」

新人くん:( ̄ω ̄;)「小心者だな~」

ザキやん:(´・ω・`)「…………それは言わないでよ」

新人くん:ε- ( ̄、 ̄A) フゥー「でもネット上ですら自分の好きなことも言えないのかと思うと、オイラなんか息が詰まるよ」

ザキやん:(^0^)「たしかに。でも趣味の話題とかなら全然いいと思うよ。むしろ担当さんは共通の話題を仕入れられて好都合だと思う。気を付けなければいけないのは『口汚く他人の悪口を言っている場合』かな。

新人くん:( ̄ω ̄;)「どうして?」

ザキやん:(^0^)「掲示板とかに行って好きなスレッドを見ているときを想像してみて欲しい。和やかムードでスレッドが消化されているときは心地良いけど、誰かと誰かが口汚く罵り合い始めたら、たとえ自分が悪口を言われている本人じゃなくても嫌~な気分になるよね」

ザキやん:(^0^)「もう一つ、僕のファミレスでの体験なんだけど、客の一人が店長を呼び出して大声でクレームをつけていた時、かなり人間性にかかわる部分にまで踏み込んだ陰湿な悪口で、ファミレス内がシーンとなってしまったんだ。みんな嫌そうな顔をしながら食事していたのがとっても印象深かった」

ザキやん:(^0^)「このように誰かの悪口を言っているときの自分はよほど気を付けていても、他人から見たら不快な印象を与えている場合が多いんだ。それだけは僕的に避けることをオススメする。それさえ気を付ければ、基本的に何を書いても大きくマイナスにはならないと思うよ」


■エゴサーチを逆に利用して自分と気の合う担当さんを引き当てる。

新人くん:Σ(・ω・ノ)「なんと! そんなことが出来るの?」

ザキやん:(^0^)「フフ、できるよー。というより、担当さんと気が合う気が合わないは、おそらくみんなが思っているよりもずっと大事だよ。なにしろ突発的な異動などがなければずっと付き合っていくことになるわけだから。ライトノベル業界の担当編集者と作家の付き合いはジャンプ方式に似ているところがあるから、マンガの『バクマン』を見れば気の合う担当編集者と付き合うことの利点、合わない担当さんと付き合うときの大変さがわかるかも」

新人くん:\(◎o◎)/「どうやるのすぐ教えていま教えて!」

ザキやん:(^0^)「なにも難しいことはないんだよ。自分の持ってるソーシャルメディアで、自分の趣味や好きなことを書けば良いだけなんだ。たとえば『将棋が好きでよくやります』『プラモ組み立てるのが好きでよくやります』『好きな作家さんは宮部みゆきさんです』とかを書いて編集さんがよしんば読んでくれたとして、「お、こいつ俺と趣味が一緒だな」となれば、その人と一緒に仕事することになるかもしれない。趣味が合う=良い担当さん、というわけではないけど、共通の話題がまったくない人と一緒に作品を作っていくのは少しだけ大変だよ」

ザキやん:(^0^)「考えてみればmixiにしてもツイッターにしても掲示板にしても、同じ趣味を持った人たちが固まってお話に興じているわけだから、自分と他人に共通項がある、というのは思っているよりも大事な場合が多いんだ」

新人くん:(・0・。) 「なるほどねぇ~。よっしゃ! エゴサーチ恐るるにたらず!」

ザキやん:(^0^)「その意気だ! ところで新人くん、君はなんかやってるの?」

新人くん:( ・_・;)「えと、一応ブログとツイッターとmixiとフェイスブックを……」

ザキやん:(^0^)「エゴサーチ対策は万全?」

新人くん:( ̄ー ̄?)「…………」

新人くん:( ̄ω ̄;)「……………………」

新人くん:(ノ≧ρ≦)ノ「…………………………………………」

新人くん:Σ( ̄△ ̄;)「ちょっと記事消してくる!」

ザキやん:( ̄□ ̄;)「ええッ? どんなこと書いたのさッ?」

 というわけで今回は『基本的小説文法』『ペンネームを決める』『エゴサーチに気を付けよう』『エゴサーチを逆に利用して自分と気の合う担当さんを引き当てる』の4つでお送りしました。

 すでに知っている人も多かったかも知れないので★の数は控えめにしております。一つでも「おお!」と思ってくれるものがあれば、僕も書いた甲斐があってとても嬉しい(^o^)

ザキやん&新人くん:~~~ヾ(^∇^)~~~ヾ(^∇^)「まったね~~~~~~」

○『人間は何事にも、出番を待つ間の修行が大切である。
 そして、あせらず、怠らず、いつ出番が来てもいいように、用意万端ととのえておかねばならぬ』 石田退三

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  では、神崎式小説作法第一回の講義を始めます。神崎式小説作法の講義を進めてくれる二人のキャラクターを紹介します。



新人くん:\(*^▽^*)ノ「オッス、オイラ新人くん。18歳フリーターで、ライトノベルの新人賞で作家デビューするために講師ザキやんに師事するんだ。夢は1000万部売ってアニメ化して美女はべらせて左うちわの生活送ることだ。よろしくな」

ザキやん:(^0^)「僕はザキやん。講師をつとめるよ。よろしく」

新人くん:Σ( ̄△ ̄;)「(短ッ。なんかもっと自分のこと語ればいいのに)」

ザキやん:(^0^)「第一回は、これから神埼式小説作法を進めていく上で常に頭の片隅に置いておいて欲しいことを簡単に語るよ。それは『神崎式小説作法を絶対してはいけないと言うことなんだ』」


○神崎の創作方法を絶対視してはいけない。なぜだろう?


新人くん:( ̄□ ̄;)「いきなりそれって……こんなコーナー自分から作っておいて。自信ないのザキやん?」

ザキやん:(^0^)「いや、それが違うんだ新人くん」

ザキやん:(^0^)「たとえば小説家を志したはいいものの、みんな最初は右も左もわからない。だから登竜門と呼ばれているディーン・クーンツの『ベストセラー小説の書き方』などを読んで藁にもすがる思いでその本の内容を余さず記憶しようとするよね? その人が真剣に作家になりたいと考えていればいるほどその傾向は強いんじゃないかな?」

新人くん:( ̄^ ̄) 「そだね、そりゃみんな必死だもん」

ザキやん:(^0^)「最初のウチは全然それで問題ないんだけど、やがてこれらの段階を離れなければならないんだ。『守破離(しゅはり)』とも言うよね?
 最初はただひたすら守る段階、次にそれらを破る段階、そして最後に最初の教えから離れて自由にいろんな情報を摂取していく段階。

ザキやん:(^0^)「ではなぜ守破離が必要なのだろうか? 一緒に考えてみようか」


○物語の根っこと全体を見渡して書く必要性。「どんなベストセラー作家も書き方はそれぞれ」


ザキやん:(^0^)「新人くん、ちょっと考えてみて欲しいんだ。ライトノベルで言えば、ラブコメ作家とハードSF作家が同じ方法論、小説作法で物語を作っているだろうか? 
 僕は、小説作法とは大きな木のようなものだと思ってるんだ。あまりにも大きくてとても個人で全体像を把握できる物じゃない。いや、正確にはできるかもしれないけれど、大くの作家さんは自分が長年培ってきた小説作法を外に公開しようと思わないから全体像の把握を困難にしている、というべきなのかな。
 
ザキやん:(^0^)「だから現状では、個人個人が『自分の小説作法』で小説業界に対して自分の作品を問うていくしかない。ラブコメ作家は自分の切り口、自分の小説作法を持っているし、ハードSF作家も自分の切り口、自分の小説作法で作品を世に問うている。
 たとえば、こうした作家さんたちが自分の半生を通して体得した小説作法を余さず詰め込んで一冊の小説作法の本にしたとしよう。
 それは大変役に立つものだと思うけど、だがよく考えてみて欲しい。それら一冊一冊は小説作法という木全体から見ると、根っこの先っちょの一つにしか過ぎないものであり、それ一冊で木全体が見えるようになるものではないんだ。そしてここが小説作法を他人に教える難しさに繋がるんだけど、小説作法に絶対的正解というものは存在しないし、読者を喜ばせる方法は必ずしも一つではない

新人くん:ε- ( ̄、 ̄A) 「ん~、難しいけど、なんとなく言ってることわかる気がする」

ザキやん:(^0^)「いいよ、ゆっくりでいいから理解していって! 新人くんがこれからやらなければならないのは、根っこを凝視することではなくて、小説作法という木全体を見渡そうとする努力なんだ。それがさっき言った『破』と『離』に繋がってくる。
 拡大ボタン(虫眼鏡+)、縮小ボタン(虫眼鏡-)をイメージして欲しい。拡大ボタンを押せば押すほど、『見たい物』が大きくなっていくけど、全体像を把握する能力はどんどん失われていくよね?
 心理学の実験では、人間は自分の見たい物しか見ないし、聞きたいことしか聞かないとても利己的な生き物だという実験結果があるんだ。
 それら、自分にとって心地良い物、体系的な物を破壊してこそ作家としての継続的な成長が望めると僕は思うんだ」

新人くん:ヾ(・ω・o) ォィォィ「難しくなってきたよ。オイラにもわかるようにもう一度言って」

ザキやん:(^0^)「じゃあもう一度言うよ。神崎の創作方法を絶対視しちゃ駄目だ。『だけどこれは神崎式の創作作法に限らず、すべての小説作法に言えること』なんだ。
 小説作法は誰が教えたものでも――そう、たとえディーン・クーンツだろうがスティーブン・キングだろうが『絶対視』してはいけない。
 クーンツは外国の作家さんだし、そもそもライトノベル作家じゃないよね? ライトノベルに代入しても使える知識はたくさんあるけど、もしかしたらそうじゃない知識もいくつかあるかもしれない。
 もし『破って』『離れる』段階を理解せずに『守る』ことに終始してしまうと、新しい知識に触れても『いや、クーンツはこう言っていたから』という先入観が邪魔して有益な知識の吸収を阻害してしまうかもしれない。もし新人くんがこれから小説家を目指すのなら『自分で必要な知識を取捨選択する能力を持ちつつ、こだわりなく何でも受け入れる能力』をもって欲しいんだ。
 なぜならあらゆる小説作法というのは、大きな木のほんの枝分かれしたうちの根っこの一本なのだから。『そういう考え方もあるかもしれない』というスタイルでいれば、破っていく段階で大きく躊躇したりはしないと思うんだ。そしていろんな知識を吸収・合成してそこから自分のスタイルを作り出したり、全体像を把握しようとあがいてみることは物書きとして継続的に成長する上で決して無駄にはならないと僕は思う」

新人くん:( ・_・;)「にゃるほど~。でもオイラ、まったくの素人だから最初はザキやんの言うこと信じていいんだよね?」

ザキやん:(^0^)「もち!」

ザキやん:(^0^)「僕自身、『マージナル』という処女作のシリーズを書いているときは必死だったんで視野が狭くなっていて、おかげでやってはいけないあらゆる失敗をしている。(この記事を書いている段階ではアナウンスできていないけど)いま、ガガガ文庫、電撃文庫で用意している新シリーズ以降は、手前味噌かもしれないけれど、正直作品としてはずっとすっきりしていて面白いと思うし、僕は自分の作家としての遍歴を『マージナル以前、マージナル以後』の二つに分けても良いとさえ思っている。それだけ、作家としては物の見方が劇的に変わったよ。それでも、僕もまだ、自分が自覚できていないバイアスにまだまだかかっているはずだけどね。知れば知るほど『この道に終わりはない』という言葉を痛感する」

新人くん:( ̄ー ̄?)「バイアス?」

ザキやん:(^0^)「長くなるのでそれは別の項で説明しようか」


○自己決定予言をしない


ザキやん:(^0^)「ところで新人くん、僕は一応『第一回ガガガ文庫小説大賞の大賞』を受賞してるわけなんだけど、その時の作品応募総数は1275作品。これを聞いてどう思う?」

新人くん:( ̄ω ̄;)「正直途方もない数字なんで聞くだけで気が滅入る……」

新人くん:( ( (__|||) ) ) 「駄目だ死のう! 考えてたら鬱になってきた!」

ザキやん:∑(´□`;) !!「ちょ、待っ!」

ザキやん:(^▽^;)「ねぇ新人くん、君は、僕をどういう人物だと思う? 高学歴で頭の回転が早くて、子供の頃から小説家になるために生まれてきた人間だと思う?」

新人くん:(´・ω・`;)「うん……」

ザキやん:(^0^)「僕は高卒で、通っていた高校は中の下、高校の時一度受けた全国模試では、平均どころか下から数えた方がずっと早かった。IQは具体的数字は知らないけど、かなり低いだろう。一言で言うと『落ちこぼれ』であり、すべての点で並以下だよ。
 さて、どうして僕はこんな誇れもしない知識を君に教えるんだろうか?」

新人くん:( ̄ω ̄;)「自虐ネタとか?」

ザキやん:(^0^)「違う。僕はこれからライトノベル作家になりたいと思うすべての作家志望者に言いたいのは『自己決定予言をしないで欲しいということ』なんだ。「あいつは天才だ」、「自分は頭が悪いから」、「自分は○○をやっていないから」。こういう意見、色々なところで聞くんだけど、これらのことに共通していることってなんだと思う?」

新人くん:(´・ω・`;)「う~ん………………わからない」

ザキやん:(^0^)「答えを言おう。すべてそのあとに『だから自分はできなくても仕方がない』という言葉が入るんだ。あいつは天才だ(だから自分はできなくても仕方がない)、自分は頭が悪いから(だから自分はできなくても仕方がない)、自分は○○をやっていないから(だから自分はできなくても仕方がない)」

ザキやん:(^0^)「これを心理学では『自己決定予言』といって、これはすべてのライトノベル作家志望が陥りがちな、そしてもっともやってはいけないことだと僕は思う」

ザキやん:(^0^)「人間は大抵自分の思うとおりの人間になると言われている。病気のことばかり考えると本当に病気になってしまうし、失敗のことばかりを考えると本当に失敗してしまう。上記の(だから自分はできなくても仕方がない)は、『自分は小説家になれないという自己暗示をかけているに等しい』んだ」

ザキやん:(^0^)「ソースはメモっておかなかったので失念したのだけど、オリンピックの水泳、100m走、アーチェリー(だったかな)などの多数の部門のメダリストが口を揃えて『ここまで来ると、個々人の選手の実力差はほとんどなくて、最後にメダルを取れるか取れないかという一線は、どこまで自分の勝利をイメージできるか』であると言っている。
 僕はネットを徘徊していて五人くらいのメダリストが似たようなことを言っていたのを見つけた。それぞれ違った分野、部門でこれだけ言っていることが似ているのは本当に偶然だけですまされることなのだろうか?」

ザキやん:(^0^)「人間の肉体って精神に支配されているところが多いのを新人くんは知ってる? 深い催眠が掛かった状態の人間に「これは焼けた鉄の棒です」といって肌に冷たい棒を押し当てると、肌は水ぶくれが出来て火傷のような状態になってしまうんだ。そしてさっきも言ったように、一年中病気にならないかと不安になってふさぎ込んでいると、本当に病気になってしまう。『病は気から』とも言うね。もう一度聞くよ? これらすべて、本当にただの偶然なのだろうか?」

ザキやん:(^0^)「僕の発言に五分の利(ごぶのり)があると思ってくれた人は、これから絶対にネガティブな自己決定予言をしないで欲しい。それらは『作家にならないための最も近道な方法』なんだ。
 重要なことなのでもう一度言わせて。
 なぜ僕がこんな経歴を開示したのか考えて欲しい。僕自身、もっと学生時代真面目に勉強しておくんだったと後悔しているし、このことを指摘されて笑われたらとても恥ずかしい。
 でも僕の履歴を開示することで、誰もが努力と継続、そして信念によって夢を叶えられると信じて欲しかったんだ。
 絶対に、ネガティブな自己決定予言はしないで欲しい。なぜなら、「だから自分は出来なくても仕方がない」と自分に暗示を掛けることで本当に君は作家になれなくなってしまうからだ。これはこれから神崎式小説作法を学んでいくすべての人に伝えたいとても重要なことなんだ」

ザキやん:(⌒~⌒ι)「……わかったかな?」

新人くん:ヾ(@⌒ー⌒@)ノ「了解。柔軟に考えて絶対視しない。ネガティブな自己決定予言をしない――だね」

ザキやん:(ノ´▽`)ノ 「OK! Good! よく理解してる。ごめん長くなっちゃったね。じゃあ第一回はこの辺で終わろうか。
 以降はお知らせです。僕が書く小説作法の記事は、僕が考える重要度によって『★』の数を増減させていきます。小説家になりたいけど時間がない人は『★★★★★』の小説作法の記事だけを拾い読みしていってね」

新人くん&ザキやん:~~~ヾ(^∇^)~~~ヾ(^∇^)「まったね~」

○『あなたが「できる」と思おうと「できない」と思おうとどちらも正しい』ヘンリー・フォード
○己自身を低く評価するものは、他人からも低く評価される――ウィリアム・ハズリット
○諸君が天性の才能に恵まれているなら、勤勉がそれをさらに高めるだろう。もし恵まれていないとしても、勤勉がそれに取って代わるだろう。(サミュエル・スマイルズ)

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顔のアップ(正面)ライトノベル小説家。 第一回小学館ライトノベル大賞ガガガ文庫部門大賞受賞者。 お仕事用メールアドレスm1911nmgsr45(★)gmail.com(現在多忙につき新規のお仕事お断りしております)

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